古くから、こんにゃく芋の生産が盛んであった福知山市三和町川合。しかし近年では、生産量も減り、古くから受け継がれてきた「こんにゃく作り」の技術も消えようとしていた。そこで、同地区で以前から万願寺の収穫・選別を担っていた地元の「ささゆりグループ」が立ち上がり、5年前から川合の特産品として、こんにゃく「山ふぐ」の生産を始めた。
種芋から、収穫できるサイズのこんにゃく芋に育つまでは、実に3年以上かかるそうだ。その後、収穫した芋はゆっくり天日干しされる。また、こんにゃくには凝固剤を使用せず、もち米の藁を燃やし、川合の清らかな水に浸し、時間をかけて上澄みだけを掬い取った灰汁が使われる。「芋と灰汁の調合にも苦労した。少量でも配分が違うと食感が全然変わってしまう。」という。手間がかかるが、この灰汁を使うことでコシのある歯応えと臭みのない味わい深いこんにゃく「山ふぐ」に仕上がるのだ。
食べ方は、たっぷりのお湯で3分茹で冷水に取りしっかり冷やした後、薄く切ってお皿に盛る。シンプルに醤油も美味しいが、オススメは、ささゆりグループさんが作っている万願寺味噌をのせて粗塩とごま油でいただく方法。やってみると、これがまた美味しい。万願寺味噌が絶妙なアクセントとなり、こんにゃくの食感と味を引立てている。
現在は、農事組合法人かわいで水曜日の午前中「かわい野菜市」にて販売している他、三和荘でも購入することができる。