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京都北部の
農業を紹介
アグリズム

agrizm No.22 橋本有機農園さん

2023年11月30日

 

丹波市市島町で年間50種類の野菜と養鶏場の経営をご夫婦でしている橋本有機農園さん。野菜は有機JAS認定を取得している。「安心野菜や農薬不使用と書いてあっても消費者にはどれが本当に安全なのかわかりにくい。基準は厳しいが認定を取得する事で安心して食べてもらえる。」という。確かに農薬不使用野菜と記載されていても、栽培中だけ薬をかけず、その前後で撒布している場合もあり、土の中に農薬が残留している可能性があるからだ。
橋本さんの田んぼでは合鴨農法で虫や雑草を食べてもらい、畑では、平飼いの鶏糞に地元の米ぬかなどで自家製のボカシ肥料を作り混ぜている。鶏舎に案内してもらい足を踏み入れると、嫌な臭いは全くなく、地面はフカフカ。手で触ってみたが糞の臭いではなく、乾燥した草のようないい香りだ。鶏が自由に動き回り、土の中では微生物などによって分解され肥料ができる。もちろん餌にもこだわり、遺伝子組み換えでないトウモロコシや畑の雑草・野菜などを与えている。
農園では、米や野菜などの収穫後に出る藁やクズが餌となり、またその糞から堆肥を作り農産物が育つという資源を無駄にしない、環境にも優しい循環型農業をしている橋本さん。こうして丁寧に作られた野菜や平飼い卵にはファンも多い。地元の有機農業のメンバーと有機野菜セットの販売をして、消費者に安心して食べられる美味しい農産物を届けているのだ。また、橋本有機農園さんは、WWOF(ウーフ:有機農場で手伝いながら知識を得られる)に登録し、年間約15カ国45名程の外国人を受け入れている。海外だけでなく国内からも有機農業に憧れ、橋本さんの元へ農業体験に来る人たちもいる。
農業が一つの職業として成り立つようにと技術や知識を伝える活動を行い支援している。

agrizm No.21 さくかぜ畑さん

2023年11月29日

福知山市三和町で農薬不使用・自然栽培にこだわり、カラフルなイタリア野菜を中心に栽培をしているさくかぜ畑の川勝さん。昔は野菜が苦手だったが農業を始めるきっかけとなったのは「野菜作りしてみたら?」という母の一言だった。そこから農業の道へ進み、2年前にここ三和町で農地を借り本格的にスタート。1.2ヘクタールの農園を一人で管理している。ハウスが2棟、その隣に設置された広大な柵の中には3頭のヤギが暮らしている。名前は3頭ともユキちゃん。この子達のおかげで柵の中は草刈りしたかのように草がなく、何ともエコな除草隊だ。たまに脱走するらしく「ハウスを閉め忘れて葉物野菜が消えてた事があった」と、笑いながら話してくれた。

「まだ手をつけられていない場所だらけで、大変な事も多いけどやりたいことがたくさんあって。」という川勝さんは本当に楽しそうだ。そんな、川勝さんのもう一つの顔はバンドマン。先日は、イネノソラさんでライブを行なったという。古民家をリノベーションしたアットホームなご飯屋さんで、地元食材を使用した体に優しいランチがいただけると人気のお店だ。農家さん同士の交流もあり、ねずみのすもうさん(R3年3月号掲載)には農業の事を相談する仲だ。また、川勝さんが所属している『のら×たんゆらジェンヌ』では、情報交換や勉強会など定期的に集まっている。「農業の世界に入って知らない事が多い中で、メンバー達がいつも私を引っ張ってくれて、本当にありがたい」と。「カラフルな野菜を学校給食に出せたら、苦手な子ども達にも興味を持ってもらえる」と、自身が苦手だった過去があるからこその思いもあり、力を入れていきたいと語ってくれた。

さくかぜ畑さんの野菜で給食時間に彩りを与えてくれる日が楽しみだ。

agrizm No.20 有限会社やくの農業振興団さん

2023年11月28日

福知山市夜久野町で蕎麦の栽培・加工・販売をしている有限会社やくの農業振興団さん。50年程前から「夜久野蕎麦」は有名なブランドとして栽培が盛んだった。しかし近年では、農地を手放す農家さんも増え、生産量が減少している。そこで、自社栽培以外でも地元農家さんから依頼があると播種作業やコンバインによる刈取り作業なども行っている。
京都府唯一の火山「宝山(田倉山)」がある夜久野高原では、昼夜の寒暖差により霧が発生する。この麓に蕎麦畑はあり、霧が美味しい蕎麦を育てる条件の一つとなっている。また、もう一つは火山灰土である「黒ボク土」と呼ばれる良質な土壌にある。水はけが良く栽培に適しており、蕎麦の粘り気を強めるという。
収穫された実は、挽きたて・打ちたてにこだわり、製粉場で必要数のみ丁寧に製粉し、挽きたての蕎麦粉を使用し製麺される。徹底した管理によって香りを逃すことなく美味しく仕上がるのだ。これからの季節には、年越し蕎麦に購入する方も多い。夜久野の農家さん達がこだわり抜いて育てた良質な蕎麦を、年の瀬に家族団欒で味わってみては。
商品は、有限会社やくの農業振興団さんのホームページから購入できるほか、コーナン福知山店・福知山観光協会案内所・あやべ特産館・赤れんがパーク・道の駅味夢の里などでも販売中。

agrizm No.19 ミヤサイさん

2023年11月25日

福知山で自然の力で美味しい野菜や雑穀を育てているミヤサイ さんご夫婦。八年前に移住し、就農して始めの二年間は、実った作物が収穫目前にして鳥獣被害に遭ってしまう事もあり大変だったという。電気柵を設置し、更に網を張るなどの対策をして、農薬や化学肥料を使わず、有機肥料も極力使わないというこだわりで、年間約50種類栽培。今では、リピーターも増え、直接お客さんの元へ野菜の配達もしている。
「ネット販売もいいけど、直接渡した時のお客さんの反応が見られるのが嬉しい」と話すご主人。自然と向き合い、野菜本来の力と味をそのままに、美味しい野菜を育て届けている。
農業をするため移住したいと言うご主人に「鳥が飼える事を条件にOKした」という程、鳥好きの奥様は、結婚する前からインコと一緒に暮らしている。以前は、小鳥たちのため、安心して食べられるシードをネットで探し購入していたが、農薬や肥料を使わず育てた国産の稗や粟は希少だ。だったら自分たちで納得できる物を作ろうと雑穀の栽培も始めた。栽培の様子をインスタグラムやフェイスブックで公開すると、愛鳥家から購入したいと依頼が来ることもある。大切な『家族』だからこそ良質なものを選びたいというのは飼い主共通の思いなのだ。
また、農業をしながら古民家の改修も行なっている。漆喰を塗る工程や窓枠にガラスをはめ込む作業など、できる事は自分たちの手でする。
「古民家が綺麗になったら、ワークショップや料理教室など、みんなが集まれる場所にしたい。」と楽しそうに話してくれた。
ミヤサイ さんの野菜は、ABAKES(エーベイクス)のお菓子に使われている。お味噌などの加工品は、『お土産と喫茶 足立』で購入できる。また、ワンダーマーケットが再開され次第出店する予定だ。

agrizm No.18 2525農園さん

2023年11月24日

福知山市三和町で新規就農し、ご夫婦で万願寺とうがらしと京都大納言小豆を栽培している2525農園さん。 ご主人は徳島出身、奥様は大阪で看護師として働いていたが、農業がしたいというご主人の夢を叶えるため移住を決意。三和町川合地区のお試し住宅で一年間、田舎暮らしを体験し、ここでの暮らしを決めた。
農業を始めた頃、トンネル栽培でビニールを緩く止めてしまい、春先の強風で片方から舞い上がり、今にも飛んで行きそうに…。必死でビニールを抑えていたところ、近くに農園のあるSeasonさん(8月号掲載)が、その様子を見て助けに来てくれたという。周りの方々の優しさにたくさん支えられたと話すご主人。徐々に軌道にのり始め、今年はハウスを三棟建て、昨年まで露地栽培をしていた万願寺とうがらしをハウス栽培に変更。収穫量が一気に増えた。また、京都大納言小豆の栽培にも力を入れ、昨年は、売れ行きも好調だった。丹波霧が発生するこの場所だからこそ美味しい小豆が育つ。口当たりがよく風味豊かで、甘みが強いのが特徴の京都大納言小豆は、高級和菓子にも使われている。「購入された方から赤い宝石だと言っていただけたのが嬉しい」と奥様。機械に頼らず手作業・手選別にこだわり、手間はかかるが、その分ロスを最小限に抑えることができる。ひとつひとつ丁寧に選別された小豆は、11月中旬ごろから、食べチョクやポケットマルシェなどネット販売で購入する事ができる。また、11月中旬から12月ごろまでは小豆の収穫体験を開催する予定だ。詳細はインスタグラムで告知する。
「まだ手がつけられていない場所があり、今後はそこにハウスを二棟立てる予定。まだまだこれから!」と力強く、そして楽しそうに語ってくれた。

agrizm No.17 ことのはファームさん

2023年11月23日

丹波市春日町で新規就農し、化学肥料や農薬を使わず安心して食べられる野菜を育てている、ことのはファームの善積さんご夫婦。趣味のトライアスロンで健康に気を使うようになり、安心して食べられる栄養価の高い野菜を自身で育てたいとの思いから農業の道へ。現在は、こだわり抜かれた新鮮な野菜を届けるアスリートのカラダ作りのサポートも行っている。ホームページからも購入可能で、「旬の丹波野菜詰め合わせ」は、5〜8種類入っており、苦手な野菜が入らないようチェックできる項目が設けられている。畑には、珍しい種類も多く、キワノ・紫唐辛子・食用ホオズキ・紅オクラなど新鮮な野菜を年間150種類以上栽培している。
農業をする中で斬新なアイデアも。収穫した野菜の加工場として古民家を購入。改修するため、クラウドファンディングで参加型の「古民家再生プロジェクト」を行っている。支援者へのリターンには、野菜の詰め合わせやワークショップ参加権、畑に名前プレートを設置(お店など広告塔として利用できる)。その他にも、感謝の気持ちを込めて全力でおじきをしてくれるなどウィットに富んだ内容もある。(現在、募集は一旦終了)。江戸時代に建てられたという古民家は「必要な部分だけを改修して、大切に守っていきたい」と言う善積さん。人が集まれるような場所にしたいとも考えている。
丹波サイクリング協会に所属している善積さんは、自転車で丹波市の景色を楽しみながら休憩ポイントで畑の野菜や地元の食材を使ったランチが食べられる「BBQライド」などのイベントも開催している。詳しい内容は随時、インスタグラムやホームページで更新される。今後の活動に目が離せない。

agrizm No.16 株式会社 Seasonさん

2023年11月22日

福知山市三和町で農園を経営している株式会社Seasonさんは、化学肥料は使わず環境に優しい農法で万願寺とうがらしを栽培している。収穫の最盛期を迎え、代表の久保さんは専務と9名のスタッフと共に収穫・選別作業を行なっている。会社を設立した当初は、にんにくやトマトなどを栽培していた。しかしロスやコスト面から断念、その後、模索していく中で万願寺とうがらしの栽培を機に『持続可能な農業』を見出していった。

「大変や儲からないなどの農業のイメージを払拭したい」という久保さん。農業を始めたい人たちが新規就農でも十分生活していけるような形があればと考えている。そのひとつがワーキングホリデー制度の活用だ。現在、香港と台湾の方がスタッフとして働いている。また、味は良いのに規格外になっている不揃いの野菜を加工した商品開発をさまざまな企業とコラボし進めている。

万願寺とうがらしの生産や経営が安定していく中でやりたい栽培にも着手した。それが当初チャレンジしたトマトの栽培。品種はイタリアントマトで加工用にする。農業体験を開催してピザ窯でピザを焼いて食べる楽しいイベントなども企画中だ。地域の活性化と農業を繋ぎ、新しいことにチャレンジしていく久保さんは「子ども達のなりたい職業に『農業』が入る時代になったら、こんな嬉しいことはない」と語ってくれた。

農業が今よりもっと魅力ある職業となり、産業として成り立つ『農業の新しいカタチ』を創るため、久保さんは挑戦し続けている。

艶やかで肉厚があり、上品な味わいのSeasonさんの万願寺とうがらしは、直接、問い合わせても購入できる。

agrizm No.15 田辺あんしん農園さん

2023年11月21日

有機栽培で育てられる田辺あんしん農園さんの山崎の桃は、販売シーズンになると直売所に多くのお客さんが訪れる。しかし、桃園を始めた頃は大変な苦労があった。有機栽培にこだわり、丁寧に育てた桃が売れず、価格も安く叩かれることもあったという。除草剤を使わないため、年4回の草刈りをし、大きく甘い実が成るようにと蕾を摘み取る摘蕾作業や摘花作業、農薬をかけずに病害虫や日焼けから実を守るためにおこなう袋掛け作業など、デリケートな作物だけあって手間のかかる作業も多い。だが、こだわりを捨てなかった事で徐々に味や品質が認められるようになった。今では香りが強く美味しいと評判になり、贈答用としても人気商品となっている。

今年は例年にない早さの梅雨入りで、晴れ間に急いで袋掛けの作業となった。出荷が一番早い白鳳、上品な味わいの白桃など、全部で5種類。順調にいけば約3トン収穫できる。しかし、昨年は長雨による日照不足のため、出荷量が1−3にまで減ったという。丹念に育ててきた桃が袋内落下や枝で実が傷付いてしまい出荷できなくなってしまった。天候や気温はコントロールできない、自然相手の仕事は大変だ。それでも、今年も同じように、ひとつひとつ丁寧に袋掛けをし、丹精込めて育てている。もちろん、天候や気候が良くても、全てがうまく大きくなるわけではない。「毎年、待ってくれている人が大勢いる。それはすごくありがたい事、だからやめられないんです。今年は順調に育ってくれたら嬉しい。」と、田辺さんが優しい笑顔で話してくれた。

田辺あんしん農園さんの山崎の桃は7月20日頃から、桃園の近くにある直売所(9時〜売切れ次第閉店)で購入することができる。

agrizm No.14 お茶の三好園さん

2023年11月20日

綾部は、美味しいお茶を作る上で必要な朝霧が発生しやすく、気候条件に適しており、昔から良質なお茶が作られてきた。綾部市位田町にある「お茶の三好園」では収穫の最盛期を迎えている。新芽が伸び始め、茶摘みの時期には家族総出で収穫作業を行うという。栄養を蓄えながら寒い冬を乗り越えた新茶は、渋みが少なく香り豊かで旨みあるお茶が出来上がる。

お茶の三好園に嫁いできた福井泰子さんは、日本の文化であるお茶が綾部で作られている事をもっと知ってもらうため、いろんな事に挑戦している。そのひとつに農業士として農大研修生を受け入れ、農業の担い手の育成に取り組んでいる。他にも「のら×たん ゆらジェンヌ」のメンバーとして中丹農業を盛り上げるための活動を行なっている。また、おじいさんの代から茶葉を購入してくれている綾部や舞鶴の常連さんには手配りで届けている。「他のお茶じゃダメとか、飲み慣れた三好園さんとこのお茶が好きと言ってもらうと嬉しい。」と昔ながらのお客さんも大切にしている。古くから親しまれてきた『茶』の文化は、単純に喉を潤すというだけでなく、来客など『おもてなし』の気持ちを込めて淹れる、日本人にとって特別な存在なのだ。

今後の目標は「日本茶インストラクターの資格を取ること。日本茶は奥が深い!だからもっと勉強して知識を増やしたい。」と笑顔で話してくれた。

三好園のお茶は、彩菜館などでも購入することができる。(新茶は6月頃から販売予定)