農園ねずみのすもうさんは、ご夫婦で水菜の周年栽培や伏見とうがらし、ロシア料理で有名なボルシチに使われるビーツなどを栽培している。京都市内から伊根町に家族で移住し、新規就農して今年で13年目を迎える。農業を始めるきっかけは、子どものアレルギーを治したいとの思いからだそうだ。
土壌に合った水菜を周年栽培する事で収入の軸をしっかり持ち、虫のつきやすい夏場でも低農薬に抑え有機肥料のみを使用し、体に優しい新鮮な野菜を栽培している。「農園ねずみのすもう」の由来は、昔話でも有名な絵本の題名から。"貧しくても優しい心を持って人に親切にすれば、いつかきっと幸せがやってくる"そのストーリーが大好きな奥様が決めた。また、ご夫婦は同級生で同じねずみ年だった事もあり、この名前に深い縁を感じたという。
数年前から6次化にも取り組み、スーパーにはあまり出回っていない栄養価が高く女性に人気の野菜『ビーツ』を加工し、ドレッシングや水煮缶にして販売。その手軽さからリピーターも増え、お取り寄せする方も多い。
今年からは、農園で収穫した野菜や地元食材を使った料理が食べられる『農家民宿』を始める準備も進めている。自然の中で焚き火が楽しめたり、海まで数分というのも魅力的だ。
「農業は黙々とする作業が多いけれど、いろんな方との繋がりを大切に、心豊かに生活する事を意識して、楽しく農業を続けたい」と話してくれた。