豊岡市でぶどうを栽培しているフルーツハーベスト田中農園さん。農園の広さは130アール。約20品種、有機肥料を使用し栽培。自然にやさしい土づくりを行っているため、ぶどうは化学物質を使わず、安心安全な品質を保ちながら育てていく。この取り組みにより「ひょうご安心ブランド」の認定を受けている。 代々受け継がれている農園を大きく広くするのではなく、自分たちが目の行き届く範囲で最高のぶどうが育つ環境を作り上げているのだ。2年ほど前には「ナガノパープル」という新しい品種を仕入れ栽培を始めた。まだ全国でも栽培している農家は少ないという貴重な品種。自然相手の世界で家族みんなで試行錯誤しながら新しいことにも挑戦している。 田中農園さんでは、ネット販売は行っていない。直接、安心して食べてもらいたいという思いから対面販売にこだわっているのだ。 「ぶどうの季節になると必ず買ってくれるお客さんがいて、今年も元気な顔を見られると嬉しくなる。カフェをオープンしたのもお客さんにゆっくり楽しんでもらうため。暑い中、直売所で並んで待ってくれるのが申し訳ない:儲け主義にならず、いつも利用してくれる方々が喜んでもらえる場所を作りたかった。」そう笑顔で話す田中さんご夫婦。「自分がぶどうのプロだとは思っていない。ぶどうが好きで詳しいだけだから。」という秀幸さんは、訪れるお客さんの声にいつも耳を傾け、最も美味しいタイミングで提供しているのだ。 伝統の味を守りながらも、新しい視点も加え、更なる品質向上へと進化を続けているプロ農家ではないだろうか。
agrizm No.36 田中農園さん
2023年12月14日