朝来市でお米や野菜の栽培をしている、篠墅の篠岡さんご夫婦。農薬や化成肥料を使わず有機肥料のみで育てた体に優しい野菜やお米は地元の子ども園などへ届けている。昌代さんの父は、肥料会社に務めていた時に、お米の栽培指導で全国を回り、栽培方法を知りたいと尋ねて来られる農家さんへの講師もしていた。 「昔から当たり前に食べてきた父の作るお米が食べられなくなると感じたとき、技術やノウハウ、この味全てを継承していきたいと思った。」と語る昌代さんは、ご主人とともに父の後を継いだ。
義父の味を受け継ぐため弘之さんは、毎日欠かさず日記をつけ、義父が亡くなってからは新たに有機栽培のお米も手がけ試行錯誤。農薬や化学肥料を使わず栽培するのは容易ではない。年間を通して必ず収益を上げる方法もしっかりと考え、野菜の収量も増やしている。その中でも朝来市の特産である岩津ねぎは今からが最盛期。
篠墅さんの作るお米や野菜は美味しくて、安心して食べられるとリピーターが多い。それは、ご夫婦のこだわりでもある『人や自然に優しい農業をして未来ある子どもたちに伝え、繋げていきたい』という想いがあるからだ。また、6次産業化にも力を入れ、有機栽培のお米を、一番栄養がある玄米として食べないのは勿体無い、子どもでも美味しく玄米が食べられる方法はないかと考えた昌代さん。そこで商品化したのが玄米粉。栄養価も高く、米粉よりも膨らみがいいとあって人気だ。イベントにも参加している篠墅さん。コラボ商品なども続々増え、父から受け継いだ味は進化を続け、これからも多くの方々へと届いていく。