朝来市で畜産業を営む、宮田畜産の宮田さん。父が牛の世話をする姿を側で見てきた宮田さんにとって、幼い頃から当然のように生活の一部となっていた。
農業大学卒業後、牧場での経験を積み、実家近くの農家から牛を譲り受け宮田畜産を設立。
経営が順調だったわけではなく、病気などで頭数が減ったり、その後のリーマンショックによる消費不振で、牛の価格が下がるなど、大変な時期を乗り越えてきた。
当初20頭程だった牛も、今では230頭を保有する畜産農家へと成長。愛情込め育てられた牛は数々の賞を受賞している。
なんとか経営も軌道に乗り牛舎を大きくしようとした矢先、突然のコロナ禍に入り自粛ムード。またもや外食産業は落ち込み、その影響は大きかったという。それでも、得意先やインスタグラムなどでお世話になっていた方々が変わらず利用してくれていたことや家族の助けもあり、今まで続けて来られた。
コロナ禍で停滞していたインバウンド市場も回復傾向にある今、牛舎を大きくし、希少な血統を持つ但馬牛を大切に守り繋いで行きたいと語る宮田さん。 「明日は、農業高校に通う娘が久しぶりに帰ってきて牛舎の掃除を手伝ってくれる予定です」と嬉しそうに話してくれた。
自身が幼い頃育ってきた環境のように子ども達もまた、父の背中を追い、自然と興味を抱き、その道へ進もうとしている。